平安蚤の市へ

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毎月10日は、京都市左京区岡崎の平安神宮前公園で「平安蚤の市」が開催されています。
出店は致しませんが、ちょっと鉄古材を探しに覗いてみました。

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一口に「鉄古材」と言っても一般の方にとってはそれは何なのか?判らないものですし、本質的な鉄質の違いもよく判らないわけで、それは販売してる骨董商においても一緒で、正直値段は出鱈目すぎて話にならないです。

簡単に言うと「鉄」の場合、今現在は昭和50年程度までに作られただろう鉄製品で、錆が回っているもの、現在あまり見受けられないものがアンティークとして出回っていますが、私が求めるものはより古く、少なくとも昭和10年代・大正時代程度に制作された物、さらにより古い物を探し求めて行きます。

殆どの場合、骨董商に説明を求めることはありません。求めるものは正直に製作技術を語ってくれていますので、現物からそれを読み取って判断します。製鉄技術による差異も説肌ににじみ出ていることがあります。
骨董商に聞くのは唯一「値段」で、その時発する言葉で購入するかどうか判断します。
高く売りつけようという人は、ほぼ意味不明なうんちくを語ってきますが、アンティークとして商ってるところの場合だと、出鱈目であることが殆どです。
もっぱら、錆深く変な形、変わった道具の類は高額になるので、重たく製造技法が古く、重量に対して値段が安く、鋼と地金の使い分けが明瞭なものを選ぶことにしています。また、自身の道具として利用することもあります。

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右のヨキは和鉄玉鋼による物、真ん中の物は昭和の物、左のは蛇用の杈(さすまた)?口金に溶接された跡があるので、割と近年まで使われていた印象を受けるものの、鉄質は古い。多分、何か棒を押し上げる道具。

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上のフックとカスガイは比較的古いもので、大正時代程度のもの。地肌の程よい荒れ方が古さを物語っているが、これらと一緒に並んでいた錆が深く入り込んだ長いカスガイと、大きなカスガイは2千円越えで、多分、昭和30年~40年程度の新しいもの。全く値段設定がでたらめで、たとえそれが古くても、とてもじゃないそんな値段にはならない。
ハンマーは柄が細く、両手で持つ程度の長さはあるものの、小スペースで木の杭などを打ち込むのに使っていたような感じの物。面を直し、柄を差し替えて鍛冶仕事用に転身予定。