祥啓の刃物の特徴・こだわり

  • 鉄を鍛え、鋼を鍛え、鍛接・鍛造を行う「火造り」にて刃物を製作しています
  • 原料選びから製造、研ぎ出し、お客様に手渡すまで全ての工程を一貫して行います
  • 日本の古鉄なども使い、切れ味だけでなく、鉄本来の風合いなど質感も大切にしています
  • 刃物の用途に合わせて、地金と鋼の性質を調整する事が出来るため、長くお使いいただけます
  • 刃・柄ともに漆加工を施してあるため、比較的に水に強く錆びにくくなっております
  • 切れ味はもちろん、どなたにも研ぎやすい様に造ってあります
  • 柄は、籐巻き、木、鹿角などの種類があり、こちらも全て手作りしています
  • 研ぎ直しや柄の修理なども承っておりますので、安心して長くお使いいただけます
  • 包丁の他に、鉄器やフックなどの小物も全て、鉄を鍛え形作って製作しています

使用原料について

鋼は主に、安来鋼の「白紙2号」「青紙2号」程度のものを使用します。
「白紙1号」など市場流通量が少ないものは、製作単価は5倍程度割高となります。
玉鋼などは、炭を多量に消費し鍛錬を行いますので、15倍程度割高となってきます。
また、玉鋼につきましては、その性質上、鋼中に鋼材的欠陥や不純物が存在しますので、基本的には実用品ではなく、ノスタルジー的な趣の物だという事をご理解いただいた上でご依頼を承ることになります。
鍛造には不向きな素材は、鍛造出来るにしても使用予定はありません。ステンレス系鋼材など、鍛造出来るものもありますが、不向きなので扱いません。

地金は、古和鉄・現代鉄の両方を扱います。
江戸時代から明治時代程度の和鉄(注1)を鍛えなおして作り上げます。
入手出来るもので、鍛造に向くものを使いますが、例えば、大二次大戦前から戦後にかけては鉄中に多くのマンガンを含有していますので、その様な鉄材料は基本的に避けています。(利用しないわけではないです)鉄道のレールなども、マンガン鉄が多いので使用しません。
マンガン鉄の性質として、叩くと硬くなる傾向があり、刃物の地金としては研ぎ難くなり、強度的にも問題が生じやすいからです。

(注1)和鉄の定義:たたら製鉄法によって製鉄、再生利用されてきた日本原産鉄