お手入れについて
当工房にて製作している刃物はすべて鋼製ですので、手入れを怠るとどうしてもサビが出ます。
ご使用後は、ちょっとひと手間のお手入れをしていただくとサビは出にくくなります。
日々のお手入れ
<刃の洗い方>
基本的には水洗いをお勧めします。油汚れや生臭みがある場合は、熱めのお湯で洗います。
洗剤はお使いただいて構いません。
<柄の洗い方>
- 籐巻き漆製 →スポンジのやわらかい面を使い、水または湯洗いします。タワシは使用しないでください。
- 木製 →水洗いします。椿油やオリーブ油で拭いてあげると長持ちします。
- 鹿角製 →水洗いします。椿油やオリーブ油で拭いてあげると長持ちします。
<油をなじませる>
洗った後は、乾いた布で水分をよく拭き取り、やわらかい布やキッチンペーパーを使って刃に薄く油をなじませます。使う油は、下記をご参考に市販の食用油をお使いください。
油の種類 | 適合性 | 特徴 |
---|---|---|
椿油 | ◎ | 古来より刃物の錆止めに利用されており、酸化しにくく、ベタつきにくい油です。 おすすめは大島椿油です。 |
オリーブ油 | △ | 紫外線に弱く、酸化しやすいです。 |
サラダ油 | × | 酸化しやすいので向きません。 |
えごま油 | × | 酸化しやすいので向きません。 |
<適切な場所に保管する>
油を塗った後は、新聞紙や布でくるみ、湿気の少ない風通しの良い場所で保管していただく事をおすすめします。
鋼製刃物の大敵である湿気から刃を守ってくれるのと、油は基本的に光に弱い性質があるため、塗った油が変質するのを避ける事が出来ます。
持ち運び用の鞘が付属している場合、鞘は水分や汚れを含んでおりますので、保管の際は鞘から出し、新聞紙や布でくるんで保管してください。
しばらく使わない時は特に、湿気にはご注意ください。
サビが出てしまった時
軽いサビの場合、大根や人参のヘタにクレンザーを付け、軽く擦っていただくときれいに落ちます。
水で洗い流し、水分をよく拭き取ってから油をなじませておくと、錆びに強くなっていきます。
それでも落ちないほどひどいサビは、当工房にて研ぎ直しを行っております。
研ぎ方
当工房の刃物は、どなたでも市販の砥石で研ぐことが出来るように造ってあります。
鋼は、硬くとも研ぎやすいように鍛錬してあります。
- 中砥石 #800~1500
- 仕上砥石 #2000~4000
この2本をご用意いただければ、刃の付け直しが出来ます。
基本的に荒砥石は必要ありません。
<砥石の種類と用途>
砥石の種類 | 用途 |
---|---|
荒砥石 | 刃こぼれを修復したりする際に使用します。普段は使用しません。 |
中砥石 | 刃物の切れ味を引き出すための砥石です。 |
仕上砥石 | 中砥石で研いだ刃のキメを整えてよりシャープな刃先とし、切れ味の持続性を向上させます。また、キメが整う事で錆にくくもなります。 |
※鍛造刃物・炭素鋼系刃物における砥石の使用法になりますので、ステンレス刃物鋼においては、それぞれに応じた使用法をお調べください。
アフターサービスについて
刃物の研ぎ直しや柄の修理などのご依頼を承っております。
また、他社製の刃物も可能な限りお受けしておりますので、お気軽にご相談ください。
作業内容 | 受取方法 | 所要日数 | 料金(1丁あたり) |
---|---|---|---|
研ぎ直し | 出店先へのお持ち込み | その場で研いでお渡し | 300円~ ※他社製は1,000円~ |
工房宛てに郵送 | 1週間ほど | 1,500円~ (返送料込み) |
|
柄(籐巻き漆製)の修理 ・籐+麻紐の修復 ・錆取り、錆止め ・研ぎ出し |
工房宛てに郵送 | 1週間~10日ほど | 3,500円~ (返送料込み) |
柄の修理 ・木の柄の交換 ・研ぎ出し |
工房宛てに郵送 | 2週間~1ヶ月ほど | 3,500円~ (返送料込み) |
郵送の場合、お支払い方法は「銀行振込」または「PayPay」となります。
詳しくは、メールにてお知らせしております。