刀の残欠の修正と研ぎ直し、及び拵えの製作
お客様のご依頼により、本職では無いものの、刀の修正と研ぎ直し、及び鞘と柄、鍔、ハバキを製作しました。
刀は江戸時代中期ごろの打ち刀(甲伏造)。
割とがっちりしたもので、何らかの理由で裁断され、骨董市などに流通したものです。
これを実用品として使えるようにしました。
江戸中期だと、刀一振り新造し、拵えまでつけると、程度が良い刀で160万~
拵えは中流武士層なら150万~と言うところでしょうか。
塗りに関しては今とは比較にならないほどのバリエーションと塗り見本のサンプルが用意されていました。
昔の物には遠く及びませんが、使えるように修正と研ぎを加え、実用に耐えられるようにしました。
この修繕プランの中で最大の問題は、ナカゴでした。極めて短く、骨董市などで見受けられる残欠の多くは、再利用する際の事をあまり考えられていないものが殆どです。
柄を赤銅で補強するなどし、短いナカゴでもがたつきが生じにくく、負荷に耐えれるようにしてあります。