長浜商店街と大通寺

帰りの寄り道も、出張の醍醐味の一つです。
『金津創作の森・第21回 森のアートフェスタ』への出店を終えて福井からの帰路、今回は滋賀県長浜市(中心市街)に立ち寄ってみました。

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長浜は、豊臣秀吉が織田信長の家臣として、初めて大名と言える所領を与えられた土地です。
室町時代は、湖北地域に京極氏があり、また戦国大名浅井氏(小谷城)が勢力を伸ばした土地でもあり、古代から製鉄の中心地で鉄資源豊富な地域でもありました。
その為、長浜周辺には「国友鉄砲鍛冶」「下坂鍛冶(槍の産地として有名)」など戦国時代末頃当時の鍛冶技術の先端の地でもありました。

江戸時代になると長浜は、天領・旗本領・彦根藩預領、宮川藩領と複雑な支配となりますが、もっぱら湖北交通の要所で商都として栄え、おしゃれな空間を提供する今時の店も多いのですが、大正昭和の面影をとどめているお店もあって面白いです。
長浜で手に入るものは概ね京都でも入手できますが、昔ながらの面影を色濃く残す街なので、長浜商店街にはなかなか引き付けられる商店がいくつもあります。

古めかしい封書に便せん、和ろうそく、下駄などが並ぶ商店。

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ここで売られている椿油は1,200円(税込)で量があり、しかも品質が良いので大変気に入ってます。

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ツバキ油はいつも使っている大島椿油の小瓶に移し替えても、まだまだ十分残るぐらいたっぷり入っている。

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続いて足を運んだのは大通寺(真宗大谷派長浜別院大通寺)。
山門は江戸時代後期の建築で比較的新しいとは言えるが、見事な彫刻が施されています。
脇門は長浜城の遺構とされ、本能寺の変の戦乱当時の名残の矢傷などが残されています。

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大通寺山門
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山門の彫刻

石山合戦(大阪城前身)にて、本願寺顕如が石山本願寺を退去したのちも、顕如の長男・教如は徹底抗戦を主張し北陸方面へ流れ、本能寺の変後に朝廷の仲介にて父・顕如より赦免され真宗大谷派第12代門首として本願寺を継承していくこととなり、京都の東本願寺を中心とする一派となります。
大通寺は1602年に教如を開基として創建されたお寺で、のちに彦根藩の井伊家とも深くかかわっていくこととなり、本堂など伏見城の遺構が移築され、「伏見城 謁見の間」とされる大広間が現存しています。

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伏見城 謁見の間・遺構

桃山時代・江戸時代の建築に枯山水の庭園や襖絵など、無駄に美化されたりしておらず江戸時代の風情を十分に体感できる空間に引き込まれます。

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襖絵
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書院